厚生労働省から、「令和3年 高年齢者雇用状況等報告(6月1日現在)」の集計結果が公表されました。
高年齢者雇用安定法では、高年齢者が年齢に関わりなく働き続けることができる「生涯現役社会の実現」を目指して、企業に「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を、65歳まで講じるよう義務付けています。
さらに、令和3年4月1日からは、70歳までを対象として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」といった雇用による措置や、「業務委託契約の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを義務付けています。
今回の集計結果は、この雇用状況を報告した従業員21人以上の企業232,059社の状況をまとめたものです。
なお、この集計では、従業員21人~300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」としています。
集計結果の主なポイントは、次のとおりです。
【65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業の状況】
1 高年齢者雇用確保措置の実施状況
65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は231,402社(99.7%)
2 65歳定年企業の状況
65歳定年企業は48,958社(21.1%)
・中小企業では21.7%
・大企業では13.7%
【66歳以上まで働ける制度のある企業の状況】
1 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は59,377社(25.6%)
・中小企業では26.2%
・大企業では17.8%
2 66歳以上まで働ける制度のある企業の状況
66歳以上まで働ける制度のある企業は88,933社(38.3%)
・中小企業では38.7%
・大企業では34.1%
3 70歳以上まで働ける制度のある企業の状況
70歳以上まで働ける制度のある企業は84,982社(36.6%)
・中小企業では37.0%
・大企業では32.1%
4 定年制廃止企業の状況および66歳以上定年企業の状況
定年制の廃止企業は9,190社(4.0%)
・中小企業では4.2%
・大企業では0.6%
全般的にみて、高年齢者の雇用は、人材不足が深刻な中小企業の方が進んでいることがわかります。
なお、報道では、令和3年4月から努力義務として施行された高年齢者就業確保措置について、実施済みの企業が59,377社(25.6%=おおむね4社に1社)であったことが話題になっています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和3年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26246.html